今日は、銀行員が転職した後に役立つスキルについて考えてみたいと思う。
僕は銀行を退職した後、ベンチャー企業の雇われ社長を務めた。
銀行で課長すらしたことないマネジメントのひよっこがいきなり経営者デビューしてしまった訳である。
まぁ、今思い返しても、おそまつだったなと反省することは山のようにある。
そのあたりの傷はまだ癒えたわけではないので、失敗談についてはいずれまた語りたい。
僕は立ち上げと同時に社長に就任したので、零細企業のオールマイティープレイヤーとして動いていた。
つまり、新規顧客の開拓から、従業員の給与計算までほとんどすべての業務を独りで行っていた。
その広い業務範囲の中でこれは役に立ったな、と思うものを羅列していきたいと思う。
「元・銀行員」という肩書
これは諸刃の剣になりうるかもしれないが、すくなくとも僕には有利に働いた。
銀行を辞めて全く違う職種の会社を立ち上げた、ということが結構ウケて、地元の経営者の集まりなんかではだいぶかわいがってもらうことができた。
また、しっかりしている、出自に間違いないだろうなど「元」であっても信用度は抜群なのである。
但し一定の割合で、銀行員や公務員を目の敵にしている人は必ずいるのでそういう人からの当たりが強くなることは覚悟しておかねばならない。
営業案件の管理
営業活動を行っていくうえで、案件管理は必須だ。
案件の確度別にS~Dを振って、A確なら見込みの数字に0.8の掛け目をかけて、着地見込みを弾く、という銀行員の渉外担当にとってはおなじみの作業。
これが非常に役に立った。
営業計画を立てる場合や、全体の進捗管理をする上でものすごく有用である、
銀行の事務手続きを流用できる
あなたが社内のルールを作る立場(経営層・総務部など)になったとすれば、その策定には銀行の事務手続が大いに参考になるだろう。
銀行の事務手続は堅確の極みだ。
流石は不正やトラブルがあるたびに事務企画部署のおじさん達が頭をひねり、改善に次ぐ改善を重ね、死屍累々の上に鎮座する聖典である。
堅確すぎる事務手続に嫌気が刺している人も多いだろうが、あの事務手続は聖典であり最上級のもの(法律でいうなら日本国憲法)であることを認識していれば応用が利く。
ただし、銀行の事務手続をそのまま持ち込んでしまうと「やっぱりあの人銀行マンだわ。かたいわー」と、同僚に距離を置かれてしまうことになりかねないので注意だ。
銀行交渉が優位に進められる
経営するうえでは一番これが目に見えるメリットだったかな…。
僕の最初の仕事は創業資金を日本政策金融公庫から引っ張ってくること。
今まで融資の稟議を書いたことはいくらでもあるけど、融資を自分が受けることはもちろん初めてだった。
でも、銀行が融資判断をするための材料はイメージができるので、
5年先までの売上・予算・経費の内訳をシミュレーションした事業計画書を作り、
結果、1500万円の融資をスムーズに引き出すことができた。
まとめ
今回は銀行員が転職して発揮できる強みについて考えてみた。
どれも銀行に勤めているだけで、誰でも自然に身に付くものばかりだと思う。
あなたにはあなたならではの強みもあるはず。
「銀行員は潰しがきかない」といわれるが、それもあなた次第なのだ。
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